2019年1月11日号 Vol.341

アメリカでも有数のアンティーク・アートフェア
「ウィンター・ショー」
ナンタケット歴史協会からレア物多数

アウトサイダー・アートフェア」
Portrait of Admiral Sir Isaac Coffin by Gilbert Stuart ca. 1810

アウトサイダー・アートフェア」
Engraved whale tooth engraved on board the whale ship Susan. August 22nd, 1829

アウトサイダー・アートフェア」
Italian carved sofa with needlepoint upholstery in wool, 1943


アッパーイーストにある「パークアベニュー・アーモリー」で、1月18日(金)から27日(日)まで、「ウィンター・ショー」が開催される。今年で65周年を迎え、美術品やアンティークの展示会として知られるアメリカでも有数のアートフェアだ。

今回は「コレクティング・ナンタケット/コレクティング・ワールド」と題し、今年設立125周年を迎える「ナンタケット歴史協会」(NHA)から貴重なアイテムが展示される。
マサチューセッツ州ケープ・コッドの南に位置するナンタケット島は、かつて世界でも有数な捕鯨港で、ニューヨーク出身の小説家、ハーマン・メルヴィルの代表作「白鯨」にも登場する(ちなみに今年はメルヴィル生誕200周年)。南北戦争前の建造物も多数現存し、アメリカ合衆国国立公園局(NPS)は島全体を、ナショナル・ヒストリック・ディストリクトに指定している。
NHAはそんなナンタケット島で、同地ゆかりの美術品や骨董品、歴史的な資料などを管理・保管している。
今展では、ギルバート・スチュアートが手掛けた肖像画や、イーストマン・ジョンソン、エリザベス・レベッカ・コフィン、トーマス・バーチの風景画なども展示。スチュアートは生涯で6人のアメリカ大統領の肖像画を描き、ジョージ・ワシントンの肖像画は現在の1ドル紙幣に使用されている。
その他、捕鯨の様子を彫り込んだ鯨の歯、当時のナンタケットの様子が描かれたソファー、エリザベス女王にも献上された伝統工芸品のバスケットなど、ナンタケットの文化と歴史を紐解くアイテムが多数紹介される。

また、ナンタケット関連以外の骨董・古美術品も例年通り充実。18〜19世紀前半の家具、ティファニーのステンドガラスやシルバー製品、セバスチャン・ストッスコップフの静物画、紀元1〜2世紀のローマ彫刻、京都出身の美術家・近藤高弘の作品など、世界各地からの逸品が出展される。
なお、入場料やイベントからの収益は全て、地元の社会福祉を支援する「イースト・サイド・ハウス」へ寄付される。

The Winter Show
■1月18日(金)〜27日(日)
■会場:Park Avenue Armory
 643 Park Ave.
■平日一般$25
★Connoisseurs Night:$25
 1月25日(金)5:30pm〜8pm
thewintershow.org


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