2019年1月11日号 Vol.341

ユダヤ人とユダヤ関連作品で知る社会
「ニューヨーク・ジューイッシュ・フィルム・フェスティバル」

ニューヨーク・ジューイッシュ・フィルム・フェスティバル
Promise at Dawn (2017), Directed By Eric Barbier, France. All photos courtesy: NYJFF

ニューヨーク・ジューイッシュ・フィルム・フェスティバル
Autonomies (2018), Directed By Yehonatan Indursky, Israel

ニューヨーク・ジューイッシュ・フィルム・フェスティバルm
A Fortunate Man (2018), Directed By Bille August, Denmark

ニューヨーク・ジューイッシュ・フィルム・フェスティバル
Joseph Pulitzer: Voice of the People (2018), Directed By Oren Rudavsky, USA


今年28周年を迎える「ニューヨーク・ジューイッシュ・フィルム・フェスティバル(NYJFF)」(主催:フィルムソサエティ・オブ・リンカーンセンター、ジューイッシュ・ミュージアム)が、1月9日(水)から22日(火)まで開催。長編、短編、ドキュメンタリーなど、世界各国から選りすぐりのユダヤ人監督作品やユダヤ関連作品を上映する。

オープニングナイトは、エリック・バルビエ監督の「プロミス・アット・ドーン(Promise at Dawn)」(製作:フランス)。
原作は、ユダヤ系ロシア人として誕生し、後にフランスに帰化した小説家で映画監督、外交官でもあったロマン・ガリーの自伝的な同名小説(邦題:夜明けの約束)。同作は1970年にジュールズ・ダッシン監督が映画化している。
ポーランドでの貧しい子ども時代から、第二次世界大戦での戦闘機パイロットとして過ごした時間まで、彼を過剰なまでに愛した母親との関係を描く。フランスで上映された際、観客動員数100万人を突破する程の大ヒットとなった。
9日の上映時、母親役を熱演したシャルロット・ゲンズブールが来場する。

センターピースは、イウナタン・インドウスキー監督の「オートノミーズ(Autonomies)」(制作:イスラエル)。イスラエルのテレビ番組シリーズを3時間半(休憩20分)で上映する。
物語の舞台は現在のイスラエル。宗教問題により分断された地域間で、密輸ディーラーとして生計を立てる正統派ユダヤ教徒のブロイド。ある日、親権係争中の少女を誘拐し、密輸してくるようにとの依頼を受ける。行動を監視・制限された社会において、アイデンティティ、宗教、政治、自由とは何かを問いかける。
当日はインドウスキー監督が来場し、質疑応答が予定されている。

クロージングナイトは、ビレ・アウグスト監督の「フォーチュネート・マン(A Fortunate Man)」(制作:デンマーク)。
19世紀後半、デンマークで敬虔なクリスチャン一家に生まれたペール。聖職者の父に反抗し、エンジニアになるためにコペンハーゲンへ。エネルギー革命を起こすという夢を持っていた。
1917年にノーベル文学賞受賞したデンマークの小説家、ヘンリク・ポントピダンの小説「Lucky Per(幸福なペール)」が原作。

その他、「ピューリッツァー賞」で知られるハンガリー生まれのアメリカ人、ジョーゼフ・ピューリッツァーを描いた「Joseph Pulitzer: Voice of the People」、イスラエルの作家で両親がホロコースト体験者のエトガル・ケレットを題材にした「Etgar Keret: Based on a True Story」など、ユダヤ人と彼らが経験した出来事などを通して、現代社会を探る。
全作品リストはウェブサイトで。

New York Jewish Film Festival
■1月9日(水)〜22日(火)
■会場:Walter Reade Theater
 165 W. 65th St.
■一般$15、学生/シニア$12、メンバー$10
■Opening/Centerpiece/Closing Night
 一般$25、メンバー$20
www.nyjff.org


Promise at Dawn
・1/9(7:30pm)・1/10(3pm)
Autonomies
・1/16(6pm)
A Fortunate Man
・1/22(8:00pm)
Joseph Pulitzer:
Voice of the People
・ 1/ 10(12:30pm/6pm)
Etgar Keret:
Based on a True Story
・1/14(8:15pm)、1/16(3:30pm)


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