2019年4月26日号 Vol.348

鶴田一郎・個展「美人画」
自身のミューズ描き続け

鶴田一郎
Ichiro Tsuruta (b. 1954); Beautiful Red, 2019


日本のコマーシャル・アートの先駆者・鶴田一郎の個展「美人画」が、4月23日(火)から5月11日(土)まで、チェルシーの大西ギャラリーで開催される。
鶴田は、1987年から10年間、ノエビア化粧品の広告に起用され続け、独特のアートスタイルで人気を博した。今回は、米国初の個展となる。
1954年、熊本県本渡市(現・天草市)生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業後、プロとして描き始めた当初は、西洋文化に影響を受け写実的な作品を描いていた。ところが、自分が「日本人である」という意識が芽生え、作風が変わる。
次第に、淋派や弥勒菩薩をはじめとする仏教美術や、浮世絵に見られる「美人絵」「女絵」など、日本独自の美意識に傾倒していった。
鶴田が描く美人画は、1910年代からパリを中心に栄えたアールデコ様式と、自分の中の日本的なものを見事に融合させ、たおやかで華やかな世界を表現する。「私は私自身のミューズ(女神)を描きたいと思っている」と鶴田は言う。

■4月23日(火)〜5月11日(土)
 オープニングレセプション:4月25日(木)6〜8pm
■会場:大西ギャラリー
 521 W. 26th St.(bet. 10th & 11th Aves.)
■TEL: 212-695-8035(日本語可)
info@onishigallery.com
onishigallery.com


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