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  Sky School
芸術とは生活そのもの
日常の「気付き」投影
画家 川植隆一郎
  今年 5 月、マンハッタンでの個展会場で
Hmart Rhapsody
■ 11 月 1 日(水)〜 12 月 15 日(金) ■会場:Café Grumpy - Grand Central Terminal:  89 E. 42nd St.
■観覧無料
★川植隆一郎 HP:
 https://ryuichiro-kawaue.jimdosite.com
12 15
  描いていたという記 「親には迷惑をかけ 憶があります」と話 たかな」と笑う。 すのは、ブルックリン  生まれも育ちも大 を拠点に活動する画 阪。高校卒業後に地 家・川植隆一郎(か 元を離れ、富山大学 わうえ・りゅういち 芸術文化学部へ入学
当初はバイトをしな を決意しました」 がら制作していたが、  生活しているだけ 2年後には「作家」と でも日本と異なるこ
るという原動力も必 掛け替えのない「ワク 要となる。 ワクする時間」。これ  「ワクワク出来る が川植の「絵の力」で 絵を描けている時、 あり「個性」になって
幸いです」  日本以外は、アメ リカとカナダにしか 行ったことがないとい う川植。  「様々な国を訪問 し、多くの人々、多 様な文化に触れてみ たい。自らにできる 表現を常に模索し、 国籍・性別・世代を 超えて人の心を動か せるような作品を発 表していきたいです。 自分の作品には嘘を
ろう)。今年4月か
ら松山智一スタジオ
に所属、日々研鑽を
積んでいる。
 「物心がついた頃
には絵を描いていま
した。恐竜図鑑、シ
ートン動物記、ファ
ーブル昆虫記、また
アニメや漫画(ONE
PIECE)などの影響 が大きいと思います」絵が持っているという  絵に描いたような 事実を体感した瞬間
松山スタジオで、チ  「画家」にとって、ワクする時間』を楽 スピレーションが自然 ームの一員として世 技術や豊かな感性、しんでいます」 と反映されています。 界を相手にした仕事 独創的なセンスは不  何気ない日常にち 作品を通してそうい
した。  転機が訪れたのは  「僕は常日頃から、た単純作業をしてい ラル駅構内のカフェ・  「大学時代、金沢 2019年。初めて 芸術とは『生活その る時には少し辛いと グランピーで、川植 出身の洋画家・鴨居 ニューヨークを旅行し もの』であると考えて 感じることもありま の作品が披露されて 玲(かもい・れい)の た時だった。 います。キャンバスに すが、その工程を乗 いる。新作2点、旧 展示を見て衝撃を受  「2週間ほどニュー 向かう時間以上に、り越えれば『ワクワ 作4点はすべて来米 けました。初めて絵 ヨークに滞在した際、 日常での『気付き』を クすること』が待って 後に手がけたものだ。 を見て涙したのです 『この地でアーティス 大切にして生きてい いると分かっています。  「ニューヨークで僕が が、それ以降、絵を トとして挑戦してみ ます。それらは僕の 良い作品を作るため 見つけた『気付き』に 見て泣いたことはあ たい!』と強く思いま 人生を豊かにし、裏 には、めんどうな工 基づいて描いた作品 りません」。鑑賞者 した。現在、所属さ 切ることはありませ 程が沢山あることを 群で、日本では得る を泣かせる程の力を、せていただいている ん」 理解した上で、『ワク ことが出来ないイン
 「おばあちゃんが、おじいちゃん子で、じ だった。
僕を膝の上で寝かし っとすることが出来  大学卒業後は富山 に携わりたいと思い、 可欠だ。さらに絵を ょっとした変化をも った気付きを、鑑賞
つけながら日本画を なかったやんちゃ坊主。でアート活動を開始。ニューヨークへの移住 描く意欲、描き続け たらす「気付き」と、者と『共有』できれば
して独立。個展やグ ループ展など、精力 的に活動した。
とが多い上、街中に 溢れるアートを肌で 感じるという川植。
それが僕の人生で掛 け替えのない時間で す。キャンバスへの下 書き転写などといっ
いる。
◇
  月 日(金)ま で、グランドセント
つかない人間であり たい」と結んだ。




























































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