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[ 5 ] 08/04/2023 YOMITIME・WWW.YOMITIME.COM・info@yomitime.com・
AMU, 2023
■ TEL: 212-645-2800
■ https://nyc-art.net/devotions
7 人展「Devotions」
■ 8 月 1 日(火)〜 9 日(水) ■オープニングレセプション: 8 月 4 日(金)6 〜 8pm ■会場:Tenri Cultural Institute 43A W. 13th St
ORU, 2023
40
歌舞伎の背景画家として 12 年務めた小野原
日本独自の風合いと
新しい表現をマッチング
アーティスト 小野原和紀
12
20
HN K
「小学校の頃はサッ 日々、研鑽を積んで
カーに夢中で、1年 いる。
365日の内360 ギターを始めた兄
日程度は外で遊んで の影響でドラムを始
いました」と話すの め、中学時代はバン
は、ブルックリンを ド活動に熱中してい の一つかもしれません」 ところ、歌舞伎で舞 拠点に活動するアー たという小野原。高 高校卒業後、さま 台美術の求人を見つ ティストの小野原和紀 校入学時に、「アーテ ざまな場所で本格的 けました」
主役となる絵画、空 間とマッチする絵画 を制作すること。相 違点は、やはり作品 と鑑賞者の『距離感』 が違いますから、緻 密性などの仕上げが 異なることでしょう」 自らの作品が、美 しく納得のいく方向 に進んでいる時が一番
近にありました。小 験してきた 代後半、 身の作品をまとめな
学生の時、ポスターコ 『やはり絵を描く仕 ンクールなどで入選 事がしたい』と考え したことも、絵を好 るようになっていたの きになっていった理由 です。職探しをした
がら、海外でも作品
を発表したいと思って
いた矢先、 の
番組「日曜美術館」で
松山智一さんが、ニュ
ーヨーク、バーワリー
の壁画制作に取り組
んでいるのを見て『、参
加したい!』と強く感
じました」
松山の人間性にも 楽しい、と打ち明け
(おのはら・かずき)。ィスト」に転身する最 に絵を学んだのち、 それまでの経験が
千葉県出身の小野原 初のきっかけが訪れる。日本テレビ放送系列 買われ、歌舞伎大道
は、昨年7月に来米。 「親しくなった帰国 映像制作会社や、富 具に入門、背景画絵
現在、現代美術作 子女の友人のお兄さ 士フイルム株式会社、 師として 年間、腕
家の松山智一が率い んが、地元駅前にあ 工務店などに勤務。を振るった。同時に、惹かれた小野原は、る小野原。その一方で、 る「松山スタジオ」で ったアパレルショップ 同時に、フリーランス 文化庁選定技術保 迷わずホームページか 「制作作業は全く問
の外壁にスプレー缶 のアーティストとして、 存団体にも所属し、 らメールで連絡。「松 題ありませんが、体 で絵を描いているの 壁画制作やロゴデザ 個人的に研究・レポ 山スタジオ」があるニ 力的な疲労が一番辛 を見て、衝撃を受け インなども手がけて ートなどを提出。そ ューヨークへ飛ぶこと いですね」と笑う。
ました」 その夜からスケッチ ブックに真似事を描 く様になった。 「母親が趣味で絵 画を描いていたこと もあり、幼少期から
いた。そんな社会人 の活動が認められ、を決意した。 8月1日から
『絵を描くこと』は身
2度目の転機が訪れ る。 「テレビ番組制作 やフォトラボ、工務 店など、様々な『モ ノ作り』の現場を経
講師を務めるように
なった。
好きな絵を描き、
後進を育てる立場に
なった小野原に、突
然、3度目の転機が
やってきた。
「当時勤めていた劇 いを、新しい表現と ューラルアートにも挑 場が、コロナの影響で マッチングさせてゆく 戦したいですし、ニュ 2ヵ月休業したので ことでしょうか。現 ーヨークだけでなく、 す。ちょうど 歳を 在は水や光、大気な ドイツやエチオピア 迎える時期でもあり、 ど被造物の『流れ』と などでも作品を発表 残りの人生を如何に いうテーマに沿って制 していきたい」 生きるか、という問 作を続けています。 4度目の転機がど 題に対して考える時 歌舞伎・背景画との のような「形」で小野 間が持てました。自 共通点は、鑑賞者が 原に訪れるのか...楽
7年目の小野原に、最終的には同団体の
◇ 始まったグループ展 「歌舞伎の背景画「Devotions」(別記) 家」から、「コンテン で小野原は、新作5 ポラリー・アーティス 点を発表する。 ト」へ転身した小野 「独立を目指して 原。作品の普遍的な 来米したので、今は テーマとは何か。 ノウハウを学ぶことに 「日本独自の風合 集中しています。ミ
しみである。