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IFC センターに駆けつけた山㟢監督 Photo by KC of Yomitime
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I 10 CF
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国籍、思い、小さな正義 田舎町で見た社会的群像
山 﨑 樹 一 郎 監督「やまぶき」
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「やまぶき」を監督 した山﨑樹一郎氏が 来米。上演前、会場 に駆けつけた監督に 話を聞いた。
分達にも映画が作れ に家族で帰省したゆ 画監督」を続ける意 ない。真庭では外国
るんだ』と、ますま かりの地だった。 味・真意は?の問 人労働者はもちろ す興味を持ちました」 「移住したのは いに、「楽しいから ん、皆が苦労してい「無関心」で「他人
◇
い、スタッフとして参 純粋に普段食べてる
「農夫でありなが 端でした」 ら映画監督でもある 監督も真庭にゆ というのは、おこが かりがあるとはいえ、 ましいですね(笑)。「よそ者」だった。 農業は気候・環境の 「外国人労働者同 影響を受けやすく一 様、私も真庭では『よ 筋縄ではいきません。そ者』です。最初は 単純作業ですが『、作 その部分にフォーカ
大阪出身の山﨑監 加。以降、映画製作 食材を自給自足しよ 労働者のチャンスを 督。京都の大学に進 に関わり現在に至る。 うと思ったのが発端 軸に、外国人労働者 学し、映画祭の企画・ 「当時、好きだった です。もうひとつは、 の生活、ささやかな 運営や自主映画を撮 のはフランスの映画 京都の生活で、『映 夢、希望が描かれて り始めた。父親がシ 評論家で映画監督の 画作りの壁』を感じて いる。
映画を作ればいい、なりますが、事情が
ナリオライター育成 ジャン=リュック・ゴダ いたことから、一旦、 校に勤めていたこと ール。なかなか難解 映画から離れてみよ
から、小学生の頃か でショッキングでしたが、 うと考えました」
ら「ライターの卵たち」 独創的なカメラワー 移住して2年余り と交流があったという。 クや大胆な編集技法 が経過した頃、映画
「父が自宅によく が印象に残っていま への思いが蘇った。
生徒たちを招いてい す。今から思えば映 「真庭市に生活の
たのですが、僕は彼 画に携わるにあたり 基盤ができ、知り合 らにビールを運び、 最初の衝撃だったよ いも増えてきた頃で コロナ禍で苦しんで 注がされていました うに思います」 した。当初は製作で いる中での五輪開催
「サイレント・スタ
ンディング」を行うシ
ーンがある。物語の
根幹でもある社会へ
の憤りを描いた一コマ
だ。真庭市で実際に った不幸、社会への
2月 日から 日
まで、 センタ (笑)。その頃から映 現在は、岡山県真 はなく上映に携わっ に、強い疑問を持っ ーで行われた映画祭 画に興味を持ち、ビ 庭市で農業に携わり ていたのですが、や ていました。『福島
サイレント・スタン ディングをする人々 がいたことから、映 画に組み込まれた。 「サイレント・スタ ンディングで抗議を する人々と、そんな 彼らを呆れたように 車から見ている人々 がいます。何事にも
憤り、不安、思いが 交錯する。それでも、 それぞれが前を向き 進んでいかなければ ならないと悟る。 「社会で日々起き る現実に比べれば、 映画で大きな変化 は望めないかもしれ ません。ですが、そ んな時代だからこ そ、社会を見る『窓』 として映画で問題を 提起し、また、文 化として定着させる 必要があるのではな
「ニュー・フィルム・フ デオをレンタルして ながら映画製作を続 はり作りたい、とい 復興のために尽力す ロム・ジャパン」。今 観るようになりまし ける監督。真庭は父 う思いが湧き上がり、る』と掲げておきな 年は日本から話題 たね。大学で入った 親の実家があり、幼『撮ってみよう!』と」 がら、その問題も の5作品が紹介され、映画サークルで、『自 少期の夏休みや正月 真庭で「農夫と映 遅々として進んでい
そんな時、「京都 2006年。理由は ですよ」と即答する る。その実情を描き 国際映画祭」に出会 様々ありましたが、 監督。 たいと思ったのが発
事」、行動を起こす
人々を「軽蔑」する...
そんな状況を描きた
かった」
監督も映画同様、 同じ場所に立ってみ いでしょうか。見落
「外国人労働者た ちの劣悪な環境や待 遇を知り、憤りを 感じていました。そ んな状況下での東京 オリンピック。移民 問題も解決されてお らず、さらに世界が
◇ 劇中、主人公の山 吹(祷キララ)が、無 言で抗議の意を示す
っていく』ところが魅 スした映画を作りた
力。映画制作にも通 いと考えていました。 じるところがあるか ですが、真庭で 年 スを演じるのはカン・
もしれませんね」 ◇
間も生活していると、 ユンスだ。
自分がだんだん同化 「実を言うとカン してきたことに気が さんは、こちらがキ 付いた。気持ちにも ャスティングした俳優 変化があり『、よそ者』さんではありません をテーマにするのでは でした。映画の内容 なく、もっと純粋に と、彼の身の上は異 一石を投じていく。
映画「やまぶき」 は、監督の生活拠点 となる岡山県真庭 市が舞台。女子高 生の山吹と、韓国人
と考えるようになって いましたね」
あり真庭に移り住ん だ韓国人。最初はそ んなカンさんをモデ ルに脚本を書いてい ましたが、進めるう ちにカンさん本人に 演じてもらうのがベ ストだと」 クライマックス、山 吹とチャンスが出会 う。自身に降りかか
たと打ち明ける。 「人々の無関心と、 冷たい視線を感じま したねぇ(笑)」 もう一人の主人公、 韓国人労働者チャン
とされがちな弱い部 分、小さな拠点・ 地域から、社会を 映し出す作品をこ れからも企画してい きたい」 「もやもやとした 生きづらさ」を変え るには、一人ひとり が「気づく」こと。周 囲に縛られない山﨑 監督は、これからも 山間の町から社会に