2018年8月10日号 Vol.331
ニューヨーク留学体験記

スポーツとSDGs

サッカー日本代表の活躍もあり、この夏はロシアで開催されたワールドカップで盛り上がった方も多かったのではないだろうか。残念ながらアメリカ代表は出場できなかったものの、2026年のワールドカップが32年ぶりにアメリカで開催されることが決まった(カナダ・メキシコと共催)。あの熱狂がニューヨークの地でも見られるかもしれないと思うと、今から開催が待ち遠しいが、2026年といえば、僕が唱え続けて来た「持続可能な開発目標(以下SDGs)」の達成期限である2030年まで残り4年である。こうしたスポーツが、どのようにSDGsの達成とつながっているかご存知だろうか。

最も分かりやすいのは17あるゴールのうち、「すべての人に健康と福祉を(ゴール3)」だろう。日常生活で適度な運動をする時間が取れない場合、生活習慣病などのリスクが増すことは広く知られている。日本からアメリカに留学して驚いたことは、公園内や路上でランニングしている人の多さである。このような運動習慣の有無が、2030年の健康状態に大きな違いをもたらすだろう。かく言う僕も、来米当初はプロスペクトパークをランニングしていた。しかし、ビスケットを頬張って一休みしていた時のこと、散歩中の犬が駆け寄って来たかと思うと、視界に入る全ての犬が僕を追いかけてきたのだ。飼い主たちは笑い転げていたが、犬が苦手な僕にとっては完全な地獄絵図だった。ウサイン・ボルト並みのスピードで逃げ切り、なんとか食い殺されずに済んだが、数日後、諸事情により僕はブルックリンから引っ越したのだった。

話を戻そう。アメリカでは、北米4大スポーツと呼ばれるアメリカンフットボール、野球、バスケットボール、アイスホッケーが盛んである。こうしたチームスポーツは、社会性を獲得したり、レクリエーションの要素によって子どもたちも授業に参加しやすくなったりすることが考えられる。まさに「質の高い教育をみんなに(ゴール5)」に繋がっているのだ。加えて、ランニングシューズをはじめとしたスポーツ用品が、児童労働などによって作られていないか気にする視点を持てば、「働きがいも経済成長も(ゴール8)」を意識することができる。

日本では2年後に東京オリンピックが、2028年にはロサンゼルスでオリンピックが開催される。こうしたビッグイベントを節目に、持続可能な世界とはどのようなものか考えてみてはいかがだろうか。(燒リ超)



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