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水盤に響く偶然の音色、巨大インスタレーション
セレスト・ブルシエ=ムジュノ「クリナメン」
2026年7月3日号掲載|3
アッパーイーストサイドのパーク・アベニュー・アーモリーで、フランス人アーティスト、セレスト・ブルシエ=ムジュノによる大規模インスタレーション「クリナメン(clinamen)」が、2026年8月2日(日)まで開催されている。

会場には、直径約12メートルの円形水盤3基が設置。それぞれに1万ガロン(約3万800リットル)以上の水が張られ、水面には約800個の白い磁器製ボウルが浮かぶ。ゆるやかな水流に乗って漂い、触れ合うたび、水鈴を思わせる澄んだ音色が空間に響く。その音は偶然の動きによって変化し、二度と同じ演奏が生まれないライブ・コンポジションとなっている。


作品タイトルの「clinamen」は、原子がわずかに進路を変えながら予測不能に動く現象を意味する言葉に由来。本作では偶然性そのものが創作の要素となり、ボウルの動きや水、空間の響きによって音楽は絶えず姿を変える。鑑賞者は作品を「見る」だけでなく、音と時間の流れを体感できる。
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ブルシエ=ムジュノは、アーティスト、音楽家、作曲家として活動し、日用品を「演奏者」に変える作品で知られる。これまでにも鳥や風船、掃除機、ピアノなどを用いたインスタレーションを発表。人為的な演奏を必要としない音響作品を数多く手がけている。
「クリナメン」シリーズは1997年に始まり、サンフランシスコ近代美術館やパリのブルス・ド・コメルスなど世界各地で展示。今回はアーモリーの巨大な空間に合わせて音響や水流を調整したシリーズ最大規模となり、約5100平方メートルのホール全体を幻想的な音響空間へと変えている。
clinamen
■2026年8月2日(日)まで
■会場:Park Avenue Armory
643 Park Avenue
■大人$30、シニア/学生/6-17歳$25、5歳以下無料
■https://www.armoryonpark.org