野外彫刻家・高氏奈津樹２つの展示会

野外彫刻家・高氏奈津樹２つの展示会
「The Heart of the Tree」
「Future Flight」

ニューヨーク在住の野外彫刻家・高氏奈津樹(たかうじ・なつき)の作品「ザ・ハート・オブ・ツリー(The Heart of the Tree)」=写真=が5月11日(土)から12月15日(日)まで、ニューヨーク州バープランクにあるKINOSAITOアートセンターで展示されている。

この作品は、高氏の2023年の作品。鉄、ステンレス、真鍮、銅、手吹きガラス、シリコンを材料にした大型作品だ(80×56×56インチ)。根を張った木・心臓・女性をイメージしている。

「生命に溢れたとも、傷ついているとも見える根を張った木、心臓、女性の姿をイメージした。金属彫刻に、点滴または果実のような手吹きガラス彫刻が垂れ下がり、ドームの中に芽生える新芽に栄養を与えている。(中略)自然を神格化・擬人化する日本的価値観で育った。人間と自然の関係を様々な角度から語れる作品にしたかった」と高氏は話している。この作品は昨年、ブルックリン植物園でも展示されている。

高氏は東京都出身。2008年、25歳で単身ニューヨークに来た。アート・スチューデント・リーグで彫刻と出会い、野外彫刻を手がけるようになったのが、アーティストとしてのスタートだった。

マンハッタンのリバーサイド公園やウエストチェスターのライビーチほかで作品を野外展示している。

最も新しいところでは、今年4月からJFK空港第4ターミナルで始まった、飛行機をモチーフにした作品「フューチャー・フライト(Future Flight)」の展示。5月6日までの予定だったが、無期延期され、現在も観ることができる。