ハイテク導入で地下鉄を便利に
34ヵ国の言語に対応、音声案内も
MTA「ナビレンズ」「ナビレンズ・ゴー」
メトロポリタン交通局(MTA)が2019年から試験的に導入・テスト運営していた無料のスマホ・アプリ「ナビレンズ」=写真①左=と「ナビレンズ・ゴー」=写真①右=。両アプリ共に、視覚障碍者または英語を理解できない人々にとって、地下鉄やバスをより便利に利用してもらおうというもの。
設置された「ddタグ(ddTag)」=写真②=を、専用アプリを通して読み取ることで、電車・バスの到着時間の他、エレベーターの位置や距離など、駅構内の情報を素早く入手することが可能。これまでの「QRコード」とは異なり、「ddタグ」はカラフルな色合いで、離れた場所からでも読み取り可能なため、視覚障碍者でも容易にスキャンできるという。
34ヵ国の言語に対応し、ユーザーそれぞれのスマホのシステム言語に沿って自動翻訳するイマドキのハイテクアプリだ。ダウンロードは、アップルストア(AppStore)またはグーグルプレイ(Google Play)から。
「ナビレンズ」最大の特徴は、「音声読み上げ機能」。読み取ったddタグの位置やそこまでの距離、列車の到着時間などを、音声と文字で案内する=写真①左=。
一方、「ナビレンズ・ゴー」に「音声読み上げ機能」はないものの、駅構内ナビゲーションや列車の到着時間案内、運行状況、旅行計画情報などを提供する=写真①右=。
共に日本語対応しているため、土地勘に乏しく、英語に不慣れな日本人旅行者にとっては用意しておいても損はない。
残念なのは、この機能を利用できる場所が限定的である点だ。MTAの発表によれば、2月8日時点でddタグが設置されているのは、M66バスルートの一部と、地下鉄1、2、3ラインの一部構内のみ。今後、引き続きM66バスルートと、地下鉄1、A、C、E、B、Dの一部構内に増設される予定。
地下鉄の老朽化が大きな問題となっているMTA。聞き取りにくいアナウンスや、迷路のような駅構内の利便性を追求することで、市内全体のアクセシビリティ向上を目指す。