2018年2月9日号 Vol.319

[第86回]
どんどんひどくなる渋滞


去年の年末、クリスマスが近い木曜日。アメリカはこの日が給料日の会社が多いんですね。給料もらった連中が夜遊びに繰り出すし、年末の企業パーティーもあちこちで開かれているので、あの時期の夜シフトは大変なんです。
何が大変って、とにかく渋滞がいつも以上にひどい。年末のパーティーで夜遅く帰宅する人が多いので、キャブの需要が高まり、そういう客を目的にキャブの数も増えるからです。
昔は流しのイエローキャブと、電話で呼ぶカーサービスだけだったのが、今はアプリ系のカーサービス(ウーバーとか)が参入し、それらが路上をひしめいています。キャブと客、需要と供給が飽和状態になるのがクリスマスの時期。今、従来のカーサービスとアプリ系を足したら、市内には10万台くらいいるんじゃないでしょうか。イエローキャブの1万4000台弱以外に、です。
とにかく、そこらじゅうが大渋滞というクリスマス前の木曜日の晩、ダウンタウンで女性客を拾いました。ブルックリンのイーストニューヨークに行って欲しいと。かなり奥地です。
ダウンタウンには無料の橋が3つ。最初彼女はブルックリン橋を渡ってくれと指示してきたのですが、僕はもうその橋が渋滞で糞詰まり状態なのを知っていたので、少し遠回りになってもウィリアムズバーグ橋を渡った方がいいと提案しました。そしたら、すんなり「じゃあそうしてくれ」と。
それでも、知らない場所なのもあってかなり時間がかかり、目的地に着いたときにはメーターが40ドル近くなっていました。最初に指示された橋を渡らず遠回りしていただけに、文句を言われやしないかとヒヤヒヤしていたら、驚いたことにこの女性客、とても喜んでくれました。感動していたと言っても過言じゃありませんでした。正直ホッとしましたけど。
なんでも、ウーバーを呼ぼうとしたら、運賃が78ドルと提示され、それで僕の車に乗ったんだそうです。そのわりに、チップはあまり弾んでくれませんでしたが。
喜んでもらったので嬉しかったとはいえ、逆にウーバーは同じ目的地に行くのにイエローキャブの倍を稼ぐんだなあなんて思ってしまいました。
とにかく、近年のニューヨークの交通渋滞は深刻で、キャブとしてはかなり非効率的。結果、儲けも減っているわけです。自転車レーンも増えたし、シティバイクのドックも道幅を狭くしていますからね。クオモ知事がマンハッタンに入る車に「渋滞代」みたいなものを課すって言い出していますが、これからのニューヨーク、どうなることやら。(白石良一)



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