2018年1月12日号 Vol.317

[第85回]
痛感、ニューヨークの劣悪道路


遅ればせながら、明けましておめでとうございます。年初めの一発目は、道路事情に絡めてお話しすることにします。
ニューヨーク市の道路状態が悪いのは今に始まったことじゃないですが、この年末年始は特に身を以て、文字通り「痛感」することとなりました。
僕が運転するキャブの車種は日産のミニバン。タイヤも固いので、道が悪いと車内にもバンバン、ショックが響きます。それでもいつもならそれほど感じないのに、実は11月末、肺炎をこじらせて入院し、サンクスギビングの翌日には肺に溜まった水を除去するために、手術をしたものですから、その傷が痛いのなんのって。
ニューヨーク市の道路は、マンハッタンとクイーンズはまだマシですが、ブロンクスとブルックリンはひどいものです。舗装されている道なのに、あちこちに穴が空いていますから。英語で言うポットホール(pot hole)。
住宅地の道なら、どうせゆっくりしか運転できないので、道路が多少悪くても我慢できますが、ハイウエーだと、道路の亀裂や穴を避けきれず、スピードを出しているだけにボコボコの道路を運転するときの車内へのショックもひどい。
マンハッタンのダウンタウンにあるあの石畳も、車の健康には最悪です。基本的に石畳の道は、十分な道幅はあっても白線でレーンを分けないので、よく車が比較的いい所を走ろうと蛇行しているのを見ますね。
今回は、11、12月にかけて肺炎で3週間の手術入院後、生活があるので退院2日で職場復帰。以来、相変わらずの夜シフトで1日13時間キャブを走らせています。何しろ左脇を胸の下から背中にかけてザックリ切られ、ステープルでバチンバチンと傷口をつないだまま、車を走らせたわけです。縫うなんて上等な処置はしてくれませんでした。左脇の傷が痛くて、左後方確認をするのに振り返るのもやっと。
そんな状態でニューヨークの劣悪な道路を運転するのは、骨が折れました。さらに言えば、昔はアベニュー沿いに走るときは、信号がよくシンクロしていたので、10ブロックくらい止まらずに走れたのに、最近は渋滞を分散するために、信号がシンクロしないようにセットされています。そうすると、しょっちゅう信号で止まるわけです。停車と発車を繰り返すのも傷に響くんですねえ。
以前時々、「手術したばかりだからゆっくり走ってくれ」というお客さんを乗せ、こっちは早く目的地に行きたいのにと、イラッときたものでしたが、自分がその立場になって、ようやくその痛みがわかりました。 (白石良一)



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