2017年10月6日号 Vol.311

[第82回]
前代未聞の交通渋滞時代に突入


ついこの前まで国連総会でした。開催中の交通渋滞は、ご存じの通り。警備とあれば仕方ないと諦めるしかないですが、それでもイラっとくるのが各国VIP連中の大名行列。
彼らは往々にして集団で食事に行ったり、イベントに参加したりします。中にはブロードウェイのショーでも観に行く集団もいるんでしょう。ことごとくゾロゾロとSP付きで。パトカーやら何やらがそこら中をブロックするので、渋滞は国連本部周辺だけにとどまらない。
ま、それも毎年のことだと百歩譲りましょう。ただ、それ以外に、近年特に渋滞がひどくなったと、キャブを走らせていると感じます。なぜだろうと考えてみました。
一つには、南北に走るアベニューに、バイクレーンと車道を分けるアイランドのようなものができて、その延長線上が駐車スペースになっていること。あのおかげでレーンが一つ減っているわけです。
そういう場所で、トラックやカーサービスなどが決まってダブルパーキングしていることも傷口に塩。アイランド分を除いても3レーンあり、真ん中のレーンを走っていれば真っ直ぐ止まらずに走れるはずなのに、ダブルパーキングの車のために1レーン減るという悪循環。
そもそもの悪の根源は、バイクレーンそのものと、シティバイクのドックでしょう。あれがあると1レーン分減り、車を停める場所がなくなり、それがあのアベニュー沿いのアイランドにつながったのではないかと。
ブルームバーグ前市長がパリを真似て始めたことなんですが、パリとマンハッタンの人口密度の差を考えても、ドライバーの視点から見ると得策とは思えません。
あと、トランプさん。この前はせっかく国連総会が終わったと思ったら、トランプがそのままニューヨークにファンドレーズのために残留したものだから、さあ大変。あの人の警備体制は異常です。これまで僕は、オバマ、親子ブッシュ、クリントンと、近年の大統領時代にニューヨークでキャブを走らせていますが、今ほど狂気じみた警備は見たことがありません。トランプが市内にいようがいまいが、トランプタワーがある56丁目と5番街周辺は、最低でも5ブロックは慢性便秘状態です。
今、マンハッタンがこれまでにない渋滞時代に突入していることは間違いありません。それでも乗ってくるお客さんはいるもので、この間なんか渋滞で全然進まない合間に、「ちょっと買ってくる」とキャブを出て、ワインを買って戻ってきたお客さんがいました。(白石良一)



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