2017年9月8日号 Vol.309

何でもアプリ時代の
ドックレス・バイク

シティバイクがとうとう市民権を得たニューヨーク市に、また新しいバイクシェアの波が押し寄せようとしている。「ドックレス(dockless)バイクシェア」だ。読んで字のごとく、「ドック」不要のバイクシェア。
シティバイクは、街のあちこちに「バイクステーション(ドック)」が設置され、利用者はそのステーションで乗り降りしなければならない。このインフラ整備のため、まだマンハッタンの南半分とブルックリン、クイーンズの一部でしか利用できない。
ところが、ドックレスだとこのインフラ整備をスキップできる。利用者はスマホのアプリを使って、一番近い所にあるチャリを予約し、乗った後は好きな場所に乗り捨てればいい。何でもアプリ時代の新ビジネスだ。
今、市内でこの新市場に着目しているドックレス・バイクシェア会社は5社。8月末には、カリフォルニアの会社「スピン」が、マンハッタンとブルックリンに300台のレンタルチャリを置き、サービスの試運転をした。無許可だったので、すぐに市が介入しチャリを撤退させたが。
いちいちドックに返却しなくていいので便利っぽい。これがうまくいけば、シティバイクもドックレスにせざるを得ないだろう。が、実はこれ中国やイギリスのロンドンでは「悪夢」状態。利用者がどこにでも乗り捨てるので、苦情殺到。行政が路上放置のチャリを回収する結果になっている。
ニューヨーク市は今のところこのサービスに許可を出していないが、何となくそのうち許可するような気がする。ただでさえゴミだらけのニューヨークに、粗大ゴミが増えるだけのような気もするが。

コードカットって
本当に得なのか?

近年、インターネットテレビの台頭で「コードカット」という新語が生まれた。従来のケーブルテレビを解約してしまう人が増えているのだ。そのコードカッター向けに、「スモールバンドル」と呼ばれる、ネット接続でのテレビ視聴サービスが、ここ2年ほどブイブイ言わせ始めた。
ディッシュ・ネットワークのSling TV、AT&TのDirecTV Nowなどがそれ。地上波ネットワークや、ESPN系などがパッケージになっている。
かくいう筆者もひところコードカットを考えた。しかし、これらは最も安いバンドルで20ドル、高いものになると70ドルもする。インターネット接続サービスはベライゾンやスペクトラム(元タイムワーナー・ケーブル)に別途払うわけだから、思ったほどお得にはならないと気づいた。
最近ではスペクトラムが「DirecTV Bad, Spectrum Good」と、アメリカらしい直撃型テレビCMをぶちまかしている。実際、このCMはポイントを押さえているし、ケーブル会社も死活問題なので巻き返しに必死だ。どんどん競争してもらって、もっと買い手市場にしてもらおうじゃないの。

やかましい夜中の
ジャックハンマー

マンハッタンだけでなく、ブルックリンやクイーンズでとどまるところを知らないビル建設ブーム。311に寄せられる工事現場の騒音苦情も、比例して増えている。2010年には1万4259件だったのが、15年には3万7806件まで増えた。その74%が、早朝と夜中のジャックハンマー音だ。
通常、市が工事を許可する時間帯は、平日の朝7時から夕方6時。ところが、12年から15年で、市の建設課が出したそれ以外の時間帯での許可数が89%も増えているという。
市は苦情を無視して、許可を下ろしてきたのだ。見かねた州の会計監査官トーマス・ディナポリが介入し、16年以降は多少マシになっているそうだ。
大事なのは、一人一人が泣き寝入りせずに311に苦情を訴えること。はっきり言ってその時点では何もしてくれないので、後々の「チリも積もれば効果」を期待するしかないのだが。



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