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よみタイムVol.103 12月26日号
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よみタイムVol.103 2008年12月26日発行号
メト歌劇場を支える日本人女性たち
 華やかな舞台のメトロポリタン歌劇場に影で活躍する2人の日本人女性がいる。専属ハーピストの安楽真理子と今シーズン新演出「ファウストの拷罰」の照明デザイナーとしてデビューを飾った西川園代。決してスポットライトを浴びているわけではないが、メトにとっては欠かせない存在。こんなところにもニッポン人は頑張っている。
(針ケ谷郁記者)


指揮者レヴァインと

マルチェロ・ジョルダーニと
照明デザイナー 西川園代
「ファウスト」でデビュー飾る


 今回のメト新演出「ファウストの劫罰」は演出家ルパージュ氏の指名でやることになったんです。これまで、色々難しい経験を乗り越えてきました。日本人、女性、照明家、すべての条件がマイノリティで、ステップ・アップしてチャレンジの場が彼から与えられました。カナダと言う国は何もバック・グラウンドがないんです。伝統に囚われないから新しいものが作り出せる。
 シルク・ド・ソレイユのように何かを生み出す事において歴史があるんです。(ルパージュは、ラスベガスの「KA」の演出を手掛けている)ある日、自分の世界の扉を開く、何か新しい事に挑戦したいと、たまたまニューヨークのことを考えていた日の午後、カンパニーから連絡が入ったんです。
 この「ファウストの劫罰」のプロダクションは90年に松本のサイトウ・キネン・フェスティヴァルで数年後にパリのバスティーユ・オペラ座で公開されましたが、照明に関しては、全く資料がなかったんです。
 バスティーユでは違う照明家が担当していたので、いちから出直しました。メトでは、世界中から来た人たちと仕事をするのに慣れていて、「おはようございます」「ありがとうございます」なんて、皆が声かけて親日家が多いなと思いました。
 メトのユニオンには36人の照明係がいて、ウェインというレジデント照明家が細かく書類、写真にして記録を取ってハンドリングが完璧でした。レヴァインの力で音楽とヴィジュアルが融合され、今の時代に合った作品に蘇りました。レヴァインの音が素晴らしくて感動で涙が出てきました。コーラスも良かったです。ルパージュは常に変化する止まっていない舞台を目指しているので、聴衆を飽きさせない力があります。
 今回のプロダクションは、技術革新によって映像を変更したり初演になかったシーンも盛りだくさんです。
 ルパージュは「パタントゥ」と言う言葉があるんですが、身近にあるものから人の想像を超えた発想ができる人なんです。とてもクリエーティヴで、シルク・ド・ソレイユをご覧になれば分かります。
 彼に出会って自分が日本人だと認識させられました。彼は昨日決めたことでも今日平気で変えてしまう。舞台は実験の場であり、リミットまでいつもチャレンジを続ける。舞台は全体に鏡、スクリーンなどリミットのある条件の中での照明はチャレンジでしたが、カリーン・エルスキンのデザインした衣装は前回と同じなのに照明のおかげで見違えたよと言われてうれしかったです。
ドミンゴ主演の「ファースト・エンペラー」で衣装をデザインしたワダ・エミ以来の日本人スタッフに抜擢された照明デザイナー。宮本亜門演出の「I Got Merman」の舞台照明で1989年に日本照明家協会賞の新人賞を受賞。90年文化庁の芸術家在外研修生に選ばれロンドン滞在中に演出家ロベール・ルパージュと出会い、衝撃を受ける。2年後東京でルパージュ氏と再会し広島を舞台にした「太田川の七つの流れ」の照明デザインを依頼され、1996年トロントでドラ・メヴァー・ムーア賞の優秀照明デザイン賞を受賞。現在ケベックを拠点にルパージュとエックス・マキナ・カンパニーと共同制作でオペラ、舞台の照明を手掛けている。日本では「ピーター・パン」や「Guys and Dolls」などが代表作。ルパージュは2010年メトでの「ニーベルンの指輪」の新演出を担当する。