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Vol.148:2010年12月24日号
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よみタイムVol.148 2010年12月24日発行号


心を込めて絵を描く
「三角」をテーマにした抽象画展

画家 依田 寿久 さん

 ソーホーを拠点に創作活動を続ける画家・依田寿久の個展が、11年1月7日から31日まで、市内西52丁目の「ギャラリーMC」で開かれる。このギャラリーは、マケドニアの政府基金により非営利で運営されており、アート関連のリサーチや新しい分野のアートコラボレーションなどを目的としている。日本人アーティストとしてここで個展を開くのは、依田が初めて。
 依田の作品は一貫して抽象画だ。1966年、船でアメリカに渡ってきたのも、抽象画に魅せられてのことだった。「80年代にネオ・エクスプレッショニズムという動きがあったときに、それまで抽象をやっていた人がずいぶん具象に行きましたが、そのときも、僕はずっと抽象を続けました」。
 今回のショーでは16点ほどを展示するが、それらはすべて「三角」をテーマにした抽象画だ。数年前コニーアイランドに行ったとき、カヤツリ草という雑草を見つけ、「茎が三角なのに気がついたんです」。それ以来、三角の魅力にとりつかれた。
 「小学校のころ信州の山の中で育った」ので、植物にいろいろな意味で影響を受けてきたという背景もある。コンクリートのちょっとした隙間を見つけて生える強い雑草の三角の茎。「ピラミッドから始まって、三角には強さとバランスが備わっていると感じます。平面の中に奥行きを感じさせる形です」と依田は言う。

 中学生のころからアーティストになりたいと思っていた。ただ、そのころは漠然とパリに目が行っていた。ところが高校生になるとアメリカからの情報が日本にたくさん入ってくるようになり、大学生のころには「アメリカに行こう」と決めていた。66年にロサンゼルスに着き、大陸を横断して翌年4月にニューヨークに着いてから今まで、ずっとここで暮らしている。
 「最初は抽象の世界だけだと思っていたアメリカが、来てみるとシュールレアリズムからポップアートまで全部ある」のに驚いた。最初は2年で帰るつもりだったが、「アメリカのアートシーンが、僕たち新しいものを見つけようとするアーティストにとって、常にものすごい刺激になってきました。だから、日本に帰る気になれなかった」と言う。「ニューヨークではいろんな国の人と知り合って、みんなでしのぎを削って、お互いに頑張る。ものすごく魅力のある街ですね」。

 ソーホーの巨大なロフトが、自宅兼アトリエだ。妻も画家、息子も画家というアーティスト一家。早朝ブロンクスの魚市場に行って新鮮な魚を仕入れてきては料理を作るのが趣味だ。依田の手打ちそばには定評がある。料理も絵も、心を込めて作る。
 「売れる売れないはともかく、アートを純粋にやってる人たちと知り合ったことで、このギャラリーでの個展が実現しました。いろんな人に見ていただきたいと思います」。縦90インチ、横144インチという大型作品も展示する。オープニングは1月7日夕方6〜9時。(きん)

1月7日(金)〜31日(月)
Gallery MC
549 W. 52nd St. 8th Fl.
TEL: 212-581-1966
info@gallerymc.org
www.gallerymc.org
オープニング:7日6:00〜9:00pm