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よみタイムVol.79 12月21日号
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よみタイムVol.79 12月21日発行号 年末年始特別号

名古屋良いとこ 私の近況
名古屋外国語大学教授 内田忠男
地域経済の活気、他を圧倒

 ニューヨークでご活躍の皆さま、明けましておめでとうございます。
 早いもので、私がニューヨークから名古屋という地に初めて移り住んで、間もなく2年が経とうとしています。
「あそこは排他的な土地柄でね、他所者は苦労するよ、慣れるまでが大変だな」と沢山の方々からご心配やら、忠告やら受けましたが、案ずるより産むが易し、とは良く言ったもので、名古屋の暮らしにはすぐ慣れました。
 皆さん、とても親切で、排他的どころか「痒いところに手が届く」気配りを頂いています。
 住み心地の良い理由はいくつもありますが、思いつくまま挙げて行きますと、まず市内の幹線道路が広くて、東京のように絶望的な交通渋滞が滅多にないこと、周辺の高速道路網も縦横に発達していて便利が良いこと(これはやはり、トヨタさんという超大手自動車メーカーが立地しているお陰でしょうが)、公共交通機関も地下鉄網が良く出来ていて便利です。
 さらに、日本が世界に誇る新幹線のお陰で、東京までは1時間40分余、大阪までとなると、たった50分余で着いてしまいます。日帰り圏どころか、通勤圏です。
 食の問題でも、名古屋伝統の料理に一部馴染めないものもありますが、食材と言うことになると、これはもう、日本一と言って過言でないでしょう。
 愛知県は、モノづくり、つまり工業出荷高でも日本一ですが、農業、水産業も盛んです。野菜、果実は新鮮で質の高いもの
が、選り取り見取り、1年を通してふんだんに手に入ります。
 魚介類も、三河湾、知多湾、伊勢湾……と目の前の漁場から活きの良いものがドンドン入ってきます。
 フグの水揚げ高が、いまや愛知県がトップなのをご存知でしょうか?
 そして何よりも、この地域がいま日本で一番元気、と言われる活気です。
 このところ、小泉構造改革で格差が生じた、地方の疲弊は目を覆うばかり……といった批判の声が高まっていますが、こうした恨み言を言っている地方の多くは、自分たちはほとんど努力らしいこともせず、チエも出さずに、空からふってくる牡丹餅でも待つように、ひたすら国の補助金ばかりにすがろうとする依存心の強い地方です。独立自尊の気風に乏しい地方です。
 このグローバル化の時代、それはとりもなおさず、市場原理最優先の時代です。市場原理とは競争原理、競争とはゼロサムゲーム、勝者と敗者が画然と分かれるのは止むを得ないのです。
 であれば、競争に勝つために、あらん限りのチエを絞り、限界までの汗を流して努力した者だけが報われる世の中なのです。
 そんな世の中は良くないといっても、冷戦の終結で共産主義や社会主義の理念は自滅してしまいました。共産党独裁の中国までが「社会主義市場経済」という相矛盾する理念の中で戦わざるを得ない世の中なのです。
 名古屋、というより中部経済圏と言うべきでしょう。この地域の経済の活気は他の地域の追随を許しません。
 大企業だけが良いのではない、中小企業でも元気印が大半です。
 先日、銀行のトップと話していたら「この地域の企業さんは、お金の要らない企業さんばかりです。借金の必要がない、手元資金を潤沢に用意されているんです。それでも、銀行さんとのお付き合い上、借りてあげましょう、と言って下さるんですが、そういうお客様に、短プラがコレコレですから金利はこれだけ頂きます、などと言えますか?」。
 名古屋金利と言うのがあります。大銀行、地銀はもとより信用金庫など地域密着の金融機関にいたるまで、1%カツカツ
の金利で「借りて頂いている」のだと言います。
 しかし、そういう超低金利で資金を調達出来ても、キャリートレードなどでリスキーな対外金融取引に手を出す企業はゼロに近いという、堅実を絵に描いたような地域でもあるのです。
 というわけで、私も皆さんから元気のお裾分けを頂いて、大変忙しい日々を送っています。
 大学には週4日出て6コマの授業をしています。金曜日には、地元テレビ局で早朝2時間の生放送、夕方は別の局でまた2時間の生放送。この間に大学の授業が2コマ入ります。
 また月に1度ですが、大阪のテレビ局の午後の情報番組にも出演させて頂いています。
 他に、講演が月に少なくとも2回。昨年の6月には、ソ連邦最初で最後の大統領だったミハイル・ゴルバチョフ氏を招いたセミナーの司会を頼まれ、元気なゴルビーと握手とハグを何度も繰り返すという、貴重な機会にも恵まれました。
 70近い爺さんになって、これだけ仕事を頂けるというのは、ホントに有難いこと、忙しいなどと言っては罰が当たると、ひたすら感謝の毎日です。
 2008年が一体どんな年になるものか? 不確実な変数ばかり多くて方程式も作れない、近未来の予測さえ困難な世の中ですが、ニューヨークの皆さんにとっては、是非、良い年であって欲しいと、心からお祈りするばかりです。