2017年09月08日号 Vol.309

新演出「ノルマ」で開幕
初演「皆殺しの天使」「サンドリヨン」
METオペラ2017-18


「サンドリヨン」A scene from Laurent Pelly's new production of Massenet's Cendrillon. Photographed here at the Santa Fe Opera. Photo by Ken Howard


「皆殺しの天使」A scene from Tom Cairn's new production of Thomas Adès's The Exterminating Angel. Photographed here at the Salzburg Festival. Photo by Monika Rittershaus


「コジ・ファン・トゥッテ」A scene from Phelim McDermott's new production of Mozart's Cosi fan tutte. Photographed here at the English National Opera. Photo by Martin Smith


「ノルマ」A set model for David McVicar's new production of Norma. Set designer: Robert Jones. Photo: Metropolitan Opera Technical Department


アメリカでは9月に何もかもが新たにスタートする。音楽界ではニューヨークフィルが9月19日に先陣を切り、続いてオペラファン待望のMET新シーズンが9月25日に開幕を迎える。
オープニング・ナイト・ガラは新演出のベッリーニ作曲「ノルマ」。今シーズンのラインナップは、MET初演が2作品、新演出3作品、レパートリーの再演が19作品。2018年5月12日までの月曜から金曜まで、土曜日は昼と夜の2回と、ほとんど毎日公演が行われる。この公演回数はおそらく、世界一の多さだろう。

今シーズンMET初演は、10月26日プレミア、イギリスの作曲家トーマス・アデスの「皆殺しの天使」(英語上演)。2016年8月にザルツブルク音楽祭で世界初演が行われた作品で、アデス自身の指揮、演出はトム・ケアンズ、キャストもほぼ同じメンバーがMETの舞台にやって来る。原作はルイス・グニュエルの同名の映画(1962年)で、この作品に触発されてアデスがオペラ化したもの。
もう一つのMET初演は、2018年4月12日プレミア、ジュール・マスネ作曲の「サンドリヨン」(フランス語上演)。誰でも知っているペローの童話「シンデレラ」が原作。ロラン・ペリーのファンタスティックな演出とMETならではのスター歌手の配役で楽しみな作品!

新演出となるのは、開幕の「ノルマ」に続いて、恒例のニューイヤーズ・イヴの新演出プレミアにジャーコモ・プッチーニ作曲「トスカ」。今年は大晦日が日曜日にあたるため、例外的に通常休演となっている日曜日6時半からの公演が行われる。タイトルロールに予定されていたクリスティーヌ・オポライスが降板し、代役にソニア・ヨンチェヴァが入る。指揮者も大御所ジェームズ・レヴァインに変更されている。
3つ目の新演出は、2018年3月15日プレミア、モーツアルト作曲の「コジ・ファン・トゥッテ」。1950年代のコニー・アイランドの遊園地が舞台というフェリム・マクダーモットの斬新な演出。渡辺謙主演の「王様と私」でトニー賞を受賞したケリー・オハラが、デスピーナ役で登場するのも楽しみだ。

ホリデー・ファミリー・オペラには、モーツアルトの「魔笛」とフンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」の2作品が英語版で上演される。オペラ・デビューの小さな子どもたちに一押し!
METのレジェンド、フランコ・ゼフィレッリ演出の「ボエーム」と「トゥーランドット」は、何度観ても感動を呼ぶ名作。こちらは、大人のオペラ・デビューに必見。
レパートリーのラインナップは、「ホフマン物語」「魔笛(ドイツ語版)」「ボエーム」「トゥーランドット」「蝶々夫人」「タイース」「フィガロの結婚」「メリー・ウィドゥ」「カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師」「愛の妙薬」「トロヴァトーレ」「パルジファル」「セミラーミデ」「エレクトラ」「ランメルモールのルチア」「ルイザ・ミラー」「ロミオとジュリエット」。久しぶりの再演もたくさんあって、今シーズンも盛りだくさん。

オペラの他、ジェームズ・レヴァインの指揮によるヴェルディの「レクイエム」がMETオーケストラとMETコーラスと4人のソリストの歌手で、11月24日、27日、29日、12月2日の4回公演。また、恒例のカーネギー・ホールでのMETオーケストラの演奏会は、2018年5月18日、30日、6月5日と、3つの異なるプログラムで行われる。オペラだけでなくMETオーケストラの水準の高さが証明される。
今シーズンも25ドルの「ラッシュ・チケット(当日券)」や金曜日の「アンダー40」など、様々な特典が用意。詳細は別記オフィシャルサイトで確認を。(針ヶ谷郁)

メトロポリタン・オペラ
www.metopera.org/Season/Tickets


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