2017年07月07日号 Vol.305

受話器から流れる「人間性」
70の移民物語
「ワンス・アポン・ア・プレイス」


ダフィー・スクエアに設置された3台の電話ボックス(All Photos by YOMITIME)


挨拶するモハディディ氏(中央)、右はトンプキンズ代表


革新的なパブリック・アートを展開するタイムズスクエア・アーツは現在、アマン・モハディディのインスタレーション「ワンス・アポン・ア・プレイス」 を開催中。ダフィー・スクエアに3台の古い「電話ボックス」が出現。受話器から聞こえてくるのは、アメリカへ渡ってきた移民たちの物語だ。
「ピュー・リサーチー・センター」によれば、2065年までにアメリカ人3人のうち1人は移民、または移民の親を持つという。現在、NY市民の3分の1が外国生まれで、市内ではおよそ800の言語が使われているそうだ。
作者のモハディディは、アフガン系アメリカ人。今回のインスタレーションのため、NYで生活する「イミグラント・ニューヨーカー」の話を録音。「電話ボックス」では、集められた70の物語(短いもので2分、長いもので15分)が再生される。
6月27日に行われたオープニングセレモニーに、タイムズ・スクエア・アライアンスのティム・トンプキンズ代表とモハディディが登壇。モハディディは、「グローバル化した世界で国境や古いアイデアに固執することは、もはや現実的ではない。NYのような大都会の大部分は、そこで働き生活する移民で成り立っていることを理解して欲しい。彼らは恐れられるものではなく、祝福され、受け入れられなければならない」とコメント。トンプキンズは、「現政権により、移民や人種問題が大きな話題となっている今、これほどタイムリーで重要なプロジェクトはない」と強調する。
携帯電話が普及する前、電話ボックスは、遠く離れた友人や恋人、家族と瞬時に繋がる場所だった。「ワンス・アポン・ア・プレイス」は、人々の「生の声・物語」と繋がることにより、彼らの人間性を思い起こさせようと試みる。

Once Upon a Place
■9月5日(火)まで
■会場:Duffy Square
 46th St. and 7th Ave.
www.timessquarenyc.org



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